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青春のお供に銀英伝

特別お題「青春の一冊」 with P D MAGAZINE
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青春の一冊といえば!図書館に必ずある「銀河英雄伝説/田中芳樹」ですね!

私は当時本が苦手な中学生でした。本が苦手なくせに図書館に入り浸っていた私は地味に一部の生徒の間で流行っている銀河英雄伝説(以下銀英伝)の存在に気付きました。時々本棚を見かけると、常に数冊は貸し出し中なのです。ストイックで硬派な表紙からは何も伺い知ることはできませんでしたが、この本の中にとんでもないことが起こっているという予感めいた不思議な高揚感が漂っていました。

狙いすましていると1巻が戻ってきたので早速借りてみました。正直物語の前提を描く冒頭は退屈で読み飛ばしてしまいました。会話シーンから取っ掛かりを掴むのです。田中芳樹先生のキャラ造形はとても魅力的でウィットに富んでおり、たちまちファンになってしまいました。続きがすぐにでも読みたいのに、銀英伝を読んでいるライバルは沢山います。今の図書館のシステムはわかりませんが、当時は貸し出しカードなるものが書籍についていて、今まで本を借りた人の一覧が見られました。こいつらは全員ライバルなわけです。で、貸し出しのタイミングなどから、今あの巻を持ってるのはあの人だ、と特定することも可能なわけです。しかしその人が返したからといってすぐ確保しないと他の人に持って行かれてしまいます。私は銀英伝コーナーを張っていました。執念です。銀英伝を追いかけてる他の人に進捗を聞くために声をかけたりもしました……。

で、感想ですが銀英伝は正に金字塔です。田中芳樹先生に架空の歴史を書かせたら右に出る者はいないのではないでしょうか。ストーリーテリングもさることながら、膨大なキャラを見事に書ききったのも素晴らしいです。本を読んで号泣したのは後にも先にも銀英伝だけです。


私の本嫌いを180°変えてくれたのは銀英伝でした。その後も良い本との出会いにも恵まれました。私のような本嫌いな中学生の子が銀英伝のような人生を変えるほどの本に出会えるようにと願ってやみません。